運送事業者向けの法律相談
運送業に多い法律トラブル
運送業では、深刻な人手不足、長時間労働による残業代の未払い、交通事故、荷主とのトラブルなど、さまざまな法律トラブルがあります。
運送業を経営しながら、これらの問題に適切に対応していくのは、非常に大変なことです。
そのため、顧問弁護士に相談しながら、法律トラブルに対応することをおすすめいたします。
運送業・運輸業に
おける弁護士の役割
運送業では未払い残業代が多額になりやすい
運送業では、長時間労働になりがちなため、未払い残業代が発生することが多くあります。
そのため、労働時間を適切に管理して、未払いの残業代が発生しないような対策をとっておく必要があります。
とくに、長距離トラックドライバーの残業代は高額になることが多く、もし未払いの残業代が発生してしまうと、会社の経営を圧迫することになりかねません。その場合は、顧問弁護士に相談することで、裁判になる前に早期の解決を図ることも可能です。
また、最近の裁判例では、運転手の手待ち時間(作業終了後から次の作業が始まるまでの待機時間)についても、残業代の支払い義務を認めるものが増えています。
手待ち時間については、就業規則の整備や発注先との契約書を工夫することで、残業代の支払いを命じられるリスクを減らすことができます。
【参考裁判例】
労働時間であると 判断した判例1 |
配送ドライバーが荷下ろしの順番を待っている間の待機時間(平成29年3月21日大阪地裁判決) |
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労働時間であると 判断した判例2 |
配送ドライバーが必要以上に早く出発していたがそれについて会社も特段指導していなかったという場合に、配送先に早く着いて到着場所で待機している待機時間(平成29年3月21日大阪地裁判決) |
労働時間であると 判断した判例3 |
始業前あるいは終業後の点呼時間(東京急行電鉄事件東京地裁判決) |
労働時間ではないと 判断した判例1 |
夜行バスの交代運転手の車中仮眠時間(東京高裁平成30年8月29日判決) |
労働時間ではないと 判断した判例2 |
スクールバスの運転において、朝一旦送り届けた後、迎えの時間になるまでの間の車庫内における待機する時間(平成31年2月28日大阪地裁判決) |
労働時間ではないと 判断した判例3 |
路線バス運転手の終点到着後出発時刻までの待機時間(令和元年9月20日福岡地裁判決) |
労働時間ではないと 判断した判例4 |
トラック運転手のサービスエリア、パーキングエリアの滞在時間(東京地裁令和元年5月31日判決) |
問題のある従業員に対する指導や懲戒処分のトラブル
職場の環境を乱す問題のある従業員がいる場合、必要な指導をしなければ会社の規律がゆるみ、会社全体に悪影響を及ぼします。
指導や懲戒処分は適宜行う必要がありますが、場合によっては、パワハラや不当な懲戒処分だといわれて紛争になり、外部の労働組合の介入を招いてしまうケースもあります。
問題のある従業員に対する指導や懲戒処分は、顧問弁護士と相談しながら、慎重に進めていくことが必要です。
解雇のトラブル
問題がある従業員だからと解雇してしまうと、従業員は不当解雇であると主張して、裁判を起こしてくるケースもあります。
裁判に発展すると、会社側が不利な立場になります。解雇トラブルで敗訴すると、ときには解雇期間中の賃金請求として1000万円以上の支払いを命じられる場合があり、会社にとって重大なリスクになります。
解雇を考えている場合、必ず事前に顧問弁護士に相談するようにしてください。
労働条件をめぐる従業員とのトラブル
従業員の労働条件をめぐるトラブルも増えています。
その中でも多い類型は、運送会社で支給されることが多い「無事故手当」です。運転手に過失がない事故の場合でも支給されないのかなどのトラブルが多いので、賃金規程や就業規則で支給基準を明確にしておくことが必要になります。
また、運送業の特徴として、契約社員や高齢の嘱託社員など、非正規社員が多いことがあります。
正社員との賃金格差が違法であるとして、差額分の損害賠償請求をされるケースが増えています。
非正規社員と正社員の格差トラブルについての裁判も増えているので、待遇の差がある場合は、裁判所でその理由を説明できるように準備しておくことが必要です。
顧問弁護士と相談しながら、就業規則や賃金規程を整備して、法律に合わない点は修正しておきましょう。
業務中の交通事故について
運送業は自動車を運転することから、交通事故に遭ってしまうことが少なくありません。
業務中の交通事故には、交通事故による損害を従業員に請求するケースや、会社が交通事故の加害者となり、被害者とトラブルになるケースなど、さまざまなものがあります。
事故の責任や損害賠償請求について争いが生じた場合、顧問弁護士に相談しながら適切に対応していくことで、問題が長期化したり、解決できずにストレスを抱えてしまう事態を防ぐことが可能になります。
元請け・下請け・荷主とのトラブル
運送中に荷物が破損したり、交通事情によって到着が遅延したりすることで、元請けや荷主から損害賠償を請求される場合があります。
反対に、同様のトラブルを起こした下請けに対して、運送会社が損害賠償を請求することもあります。
このような場合には、顧問弁護士に相談することで、責任の有無や損害賠償額の交渉を任せることができます。
運送業の経営には
顧問弁護士がおすすめ
以上のように、運送業を経営していると、さまざまなトラブルに見舞われる可能性があります。
運送を外注しているケースでは、配送先の個人情報の扱いについて適切な契約をしておかないと、運送中に個人情報漏洩が起きたときに、自社が損害賠償を負担しなければならなくなります。
また、延着事故を起こした場合の損害の負担や、積荷について損害が発生した場合の負担について、契約書を整備しておくことも重要になります。
顧問弁護士がいれば、外注先との契約書の作成やリーガルチェックも任せることができるので、本業である運送業に集中することが可能になります。
トラブルが起こったらすぐに顧問弁護士に相談することができるので、早い段階で正しい対応策をとることができます。
当事務所の特徴
当事務所は、依頼者からのご連絡に対して、迅速で的確なレスポンスを心掛けています(顧問先には例外なく私の携帯電話番号を教えますので、時間を問わず弁護士若林と連絡をとっていただいています)。
ご相談や打ち合わせにおいては、顧客の話をしっかりと聞いた上で、難しい言葉を使わず、わかりやすい選択肢をご提案いたします。
また、税理士や行政書士など他の有資格者と密にと連携し、当事務所に相談すれば万事解決というワンストップでのサービスを提供しています。
顧問先は常時20社程度(令和6年2月現在)ほどであり、幅広い業界において顧問を務めております。
初回相談は45分無料ですので、どうぞお気軽にご相談ください。